とどまらない花
ひとつの街の桜は数日のうちにいっせいに咲き、一週間ほどで散っていきます。その短さこそが、桜の意味の中心にあります。日本語には、そのとき胸に生まれる気持ちを表す言葉があります。「もののあはれ」。移ろいゆくものへの静かな哀しみと、それを今見られることの喜びです。
花見
花見は文字どおり花を見ることですが、実際には桜の木の下でのピクニックです。朝早くから公園にシートを広げて場所を取り、食べものや飲みものを持ち寄って、夕方まで過ごすことも。ライトアップする公園では「夜桜」も楽しめます。この習慣は千年以上前、桜を和歌に詠んだ宮廷の歌人たちにまでさかのぼります。
桜前線
川沿いや公園に植えられた淡いピンクのソメイヨシノが、多くの人にとっての「桜」です。暖かい南から咲きはじめ、2か月ほどかけて北へ進みます。この開花の線を「桜前線」と呼びます。東京ではたいてい3月下旬、北海道では4月下旬から5月に咲きます。
暮らしの中の桜
日本では学校も会社も4月に新しい年度が始まるので、桜は入学式や入社式、新しい生活の始まりと結びついています。春には桜味のお菓子や飲みもの、塩漬けの桜の葉で包んだピンクの桜餅も店に並びます。



